1999年11月2日(火) キリストの王国ネットワ−ク全国大会 講演 「日本社会でのキリストの王国:キリスト者の生活/教会/社会」 序:私たちの福音的信仰に置けるキリスト王権の重要性 a.復活の主キリストの宣教命令は、世界の「国々」を王権のもとに弟子とするため。 b.十字架の主キリストがピラトの前で明らかにされた十字架刑の直接理由は王権の否定。 社会と国家を否定するカルト:悲観的終末・理性主義・組織主義・恣意的聖書解釈 a.1)神信仰の歪み2)キリスト信仰がない3)聖霊信仰がない4)霊性が見えない b.福音的教会の弱さ:秩序の点・行動化の点・社会的対決の点。「神の国の福音!」 1.みことばと福音と生活 (カルヴァン「生活綱要」) :一人の人格とその人生におけるキリストの王国の勝利 ◎ 福音:イエス・キリスト =神の子なる神・人となった贖い主・キリスト を信じる =知る・受け入れる・より頼む 1)福音による救いは、新しい自由な「服従」を生み出す。 使徒16:31,ロマ3:23-24,エペソ2:8-10, ガラテヤ5:1,13 2)聖書の「愛の義務」の原則が、凡例とともに、この服従の基準となる。 3)世界の主である神への信仰は、全生活で主に従うことなしに一貫しない。 この服従は、キリストの贖いへの信仰がもたらす、赦しの自由に基づく。 聖霊によって新生した人の、主に従う自由を求める魂が、服従の判断をする。 4)王なるキリストから権威を委ねられて、その自由の場をとなる、教会と国家。 2.社会における信仰の自由 :信仰の自由を保証する、キリストの王国(教会と国家をとおして支配)の勝利 ◎ 王なるキリストの国の実在 :その王国(神の王国)の権威=詩篇第四巻 a.三位一体の絶対的権威 b.創造とみことばの権威 c.契約と命令の権威 (1) 文化命令といのちの契約 (2) 宣教命令とめぐみの契約 1)王なるキリストからの二つの権威委任:教会の領域・国家の領域 2)市民として国家に従うキリスト者 3)教会として国家に対峙するキリスト者 4)国家と、その対極に存在すべき教会を通しての、キリストの王国支配の勝利 マタイ28:18-20,マルコ1:15,マタイ22:19-21,28:218-20 ロマ13:1-7,1ペテロ2:9-17,使徒5:27-32,マタイ16:16-19 エペソ1:20-23,3:7-11, コロサイ1:17f,24-29 3.教会形成とみことばによるキリストの王国の自治・秩序 :日本におけるキリストの王国の砦となる、国家から自由な教会の形成 1)社会に対し立てられた砦としての教会:キリストの王権に服するキリストの体 2)教会堂のありかたと、教会の「信仰の交わりの生活全体」としての建設 (1)家の教会 (2)会堂を中心にした町の教会 (3)家と家が会堂に連なる教会 3)教会の社会に打ち出していくための教会の砦としての内的強さの形成。 長老制:み言葉の権威のため召されて服するものの自治と、それへの積極的服従 監督制:誤りをかならず犯す一人の人間の考えにたよる支配の危険 会衆制:教会全体が個人の信仰の戦いにおける罪の弱さに媚びるものとなる危険 4)地上の「見える教会」の不完全さと戦いの使命:教会のマ−クス (1)神のことばの説教の権威 (2)主の聖礼典 (3)訓練: エペソ5:5-14 a.教会秩序の無視との戦いb.不道徳との戦いc.異端との戦い:信仰告白一致 >(1)証しする教会:マルチュリア (2)交わる教会:コイノニア (3)奉仕する教会 : ディアコニア 4.政教分離とキリストの王国の証し :教会の国家への発言のための、国家からの分離 1)復活の王キリストとこの世における現在の「神の国」 2)国家への証しと聖書の示す宣教 マタイ28:18-20 教会の(1)みことばに立つ発言、(2)証しの使命、(3)自由 3)それを保証するはずの政教分離。その大きな誤解:教会と政治からの隔離。 4)アメリカの教会の構造的弱さの影響:あいまいな国家主権、あいまいな教会主権 5.近代日本の国体思想の克服:キリストとその王国に日本で仕える 1)「日本」は旧くない:近代における日本国家主義の形成 2)日本国家主義の常套手段の三つの方法(J.G.ボスの古い指摘) 3)日の丸・君が代法案の明らかにしたもの:あいまいな二つの機軸 4)国家・天皇への服従か、キリストにある自由か 憲法の意義・戦争態勢としての天皇制の危険・天皇制の克服の道 キリスト王権を貫く幻と、宣教・証し・教会形成・次世代への継承 |